外房線安房鴨川駅(鴨川グランドタワー)

鴨川グランドタワー

今回は、いよいよ首都圏の中でもかなりの遠出となる場所だ。
安房鴨川である。
まずは高田馬場から東西線で大手町へ。
地下道を歩いて東京駅に行く。
昼過ぎ出発の安房鴨川行きの特急に乗り込む。
特急は、京葉線を猛スピードで安房鴨川目指して走っていく。
昼過ぎにそんなところに行く観光客なんていないので、車内は空いていて快適だ。
蘇我からは、外房線に入る。
てっきり、木更津の方を通る内房線に入るのかと思ってたけど、違った。
地方都市の茂原を過ぎ、勝浦を過ぎ、ゴーストタウンみたいになってしまった行川アイランドを過ぎる。
そして、2時間で安房鴨川に着いてしまった。
これじゃ旅情を楽しむ暇なんてないなあ。
駅の東側に出て、線路に並ぶように伸びる道路に出る。
北東方向に歩いていく。
道路沿いには、都心の郊外にでもありそうなラーメン屋などしかない。
ますます遠くへ来た、という感じは薄らいでしまう。
そのままどんどん歩いて行くと、やがて松林が広がり、その中、道路の西側に鴨川グランドタワーがある。
竣工はバブルの終わり頃だ。
幕張だけではなく、こんなところにもバブルの遺産があったとは。
ということで、房総半島への旅はあっけなく終わってしまったな。
房総半島への旅、というと、つげ義春の漫画、「やなぎや主人」をふと思い出してしまった。
どこからか流れて来た網走番外地の歌を聞き、突然、強い旅情を掻き立てられ、そのまま房総半島へ来てしまう話だ。
遙か 遙か彼方にや オホーツク
海を見てます 泣いてます
このような感じの歌なのだが。
思い出したのはいいけれど、同じ房総半島への道行も、あんまり旅情は感じられなかったかな。
つまり、遙か彼方にやってきたのだけど、そこには、網走番外地はなかったのだ。
その代わりに、バブルの遺産とどこにでもあるラーメン屋はあった、ということか。
(2007年10月記)