東向島(リバーサイド隅田)

リバーサイド隅田

高田馬場から東西線、九段下から半蔵門線東武伊勢崎線と乗り継ぎ、東向島で下車。
浴衣すがたが多いと思ったら隅田川の花火の日らしい。
明治通りを東へ。
隅田川の東岸にリバーサイド隅田が聳える。
まわりに高い建物がないので遠くからでもよく目立つ。
どこからでもこのビルが見えるということは、このビルからの見晴らしもいいということだ。この日の隅田川花火大会でも特等席ではないだろうか。
しかしいったいいつから、隅田川は悪臭を放つ公害の巨大などぶ川から、水辺を楽しめ、リバーサイドの生活がそれなりのステイタスになるような河川になったのだろう。
水質をきれいにし、そして何よりも河川の両側を広範囲にスーパー堤防にし、そこを公園にすることで今の隅田川は成り立ったと思う。
江戸情緒に思いを馳せ、川風を楽しみ、そして時には屋形船で川遊びをする、まさにアーバンリゾートだ。
でも、川岸は下町の領域ではなかったか。たしかに洪水の危険は去ったのだろうけど。
広々とした公園を見るとそこから消滅した下町の痕跡はない。
さぞこの日の花火も美しいだろう。その感動を抱いて皆、家路につく。そして誰もいなくなった河辺と、高層住宅の窓の明かりだけが残る。
(2006年7月記)