大手町(東京サンケイビル)

東京サンケイビル

北へ歩く。大手町に入ると東京サンケイビルが聳えている。
もとの場所には、高度成長の終わりごろ竣工した、東京サンケイビル新館という高層ビルが立っていた。
そして、その高層ビルを解体してさらに巨大な東京サンケイビルが建った。
そのことからなぜか「焼け太り」という言葉がよぎってしまう。
高度成長が終わり、安定成長からバブル崩壊を経ると、ビルがいつの間にか巨大なものに置き換わっている、というわけだ。
高度成長の真っ只中、同族によるささやかなメディア企業グループが結成される。
フジサンケイグループであるが。
情報の集積と資産運用の集積は親和性があるものと見える。
社会がものづくりから資産運用へシフトしていく過程で、このメディア企業グループは情報産業であるがゆえに同族の手を振り払うように巨大化し現在に至る。
放送事業という国家的枠組みがある限り、このようなメディア企業グループは巨大なままであり続けるだろう。
2005年の波乱は、結局、この権益をめぐる小競り合いでしかなかったということかな。
(2006年8月記)