品川グランドコモンズ(品川V-TOWER)

品川V-TOWER

そして南端部に品川V-TOWERが聳える。
西側にはストーリア品川、さらに通りを挟んでその西側には京王品川ビルがある。
以前、南品川から旧東海道あたりに沿って品川駅まで歩いたことがある。
あたりはすっかり日が落ちてしまって真っ暗だった。
人家にはすでに明かりが灯り、船宿や飲食店の入口からも明かりが漏れる。
しかしあまり賑やかでないせいか、この町の夜はとても静かだった。
海を見ると海面は真っ暗で黒々としていて屋形船が係留されているのがわかる程度、波すらわからない。
そんな静かな通りをぶらぶら品川駅を目指して歩いていく。
品川駅はまだだろうかと思い、その方角を見やると、不意に光を四方に放つとてつもなく巨大な物体が視界に飛び込んできた。
それが品川V-TOWERだった。
のしかからんばかりに黒い空に聳え立ち、光り輝いている。
そして、その光の一つ一つには、それぞれの生活があり人生がある、それを思うと気が遠くなりそうだった。
身長50メートルたらずの巨大生物(ゴジラのことだが)がスペクタクルである時代ではもうないのだろうな。
そう感じつつ八ツ山橋の鉄橋を渡り、第一京浜を通って品川駅に向った。
(2006年8月記)