西新宿高層ビル街(KDDIビル)

KDDIビル

東へ、新宿駅方面へ歩くとKDDIビルが聳えている。
高度成長期の終わりごろに建っている。
西新宿高層ビル街では3番目で古株ということだろう。
そしてKDDIビル以降、毎年のように切れ目なく次々と高層ビルが建ち続けて現在に至っている。
KDDIについてだが、もとはKDDで国際電信電話株式会社の略であり、当時、海外との通信事業を担当していた。
明治時代の半ば、逓信省が設置されるが、郵便事業だけではなく通信分野も担当していた。
戦後、電気通信省となり、郵便事業とは独立、そしてすぐに日本電信電話公社(NTT)となる。同時に国際電話のほうは、国際電信電話株式会社KDD)が受け持つ。
そして、高度経済成長期が終わってみると、国際電信電話株式会社は、西新宿に巨大な高層ビル(KDDビル)を建てるまでに肥大化していた。
バブル直前に株式会社化、バブル崩壊後、失われた10年のなかで同じころ株式会社となった第二電電に吸収されKDDIとなり現在に至る。
したがって、西新宿高層ビル街のKDDIビルも、もとKDDビルなので本社ではない。
逆に、さらに巨大化したとも言えるのだが。
かつての太平洋戦争の敗北は、情報戦での敗北という側面もあるらしい。
戦後、情報は金になると思いついただけでも、あのころよりは、少しは利口になったということか。
しかし、バブルの直前、NTTが民営化され株券の発行でバカ騒ぎしたことを思い出すと、あんまり進歩したとも思えないが。
(2006年9月記)