東京駅西口丸の内(丸の内ビルディング)

丸の内ビルディング

月島駅に戻り有楽町線に乗る。有楽町駅で下車。
山手線の西側を北へ歩く。東京駅西口の正面に丸の内ビルディングが聳える。
江戸時代から明治時代に入り、丸の内は皇居の近くなので防衛のため陸軍が配備されていた。
明治時代半ば、その必要がなくなったことと海外への進出のために陸軍は皇居前を引き払う。
そのときに土地を三菱へ払い下げたのだ。これが丸の内オフィス街の始まりとなる。
しかし、しばらくの間は原っぱのままだったということだ。
大正時代に入り、南の新橋駅と北の上野駅を結ぶということになり、その中間に東京駅ができる。
そして、そのことを受け、東京駅西口に旧丸の内ビルディングが建てられる。
その後は、徐々にオフィスビルが建ち、オフィス街を形成、現在に至っている。
さらに、バブル崩壊後、失われた10年を経て、都心回帰、集積化の流れを受け、丸の内、だけではなく大手町や東京駅東口なども高層ビル化されてきている。
そういう中で、旧丸の内ビルディングも建替えられ、高層ビルになった。
新しい丸の内ビルディングは商業スペースも備え、華々しくオープンしている。
もっとも旧丸の内ビルディングも商業スペースを設けてオープンしているので、目新しくはない。
さらに、新しい丸の内ビルディングの後のビルもたいてい商業スペースを持っているので、あちこちのビルが開業するたびに新鮮味が薄れていくような気がするが。
今後は、まだ当分、丸の内、大手町、東京駅東口、と高層ビルの建設が続く。
丸の内ビルディングのときは東洋一のビルだったのに、新しくなった丸の内ビルディングはどんどん忘れられていくことになるだろう。
しかし、過去のものになり忘れ去られようとも、どうでもいいステイタス、意味のない希少性にこだわるより、大勢の人々に利用される方がいいに決まっている。
以前は東洋一ということを誇っていたけど、今はたくさんある高層ビルのうちの一つになってしまった。でも、それでいいのかもしれない。
昔からあったのかどうかわからないけど、クリスマスになると幻想的なイルミネーションが飾られ、オフィス街とは思えない光景が丸の内に広がる。
歩く人々はこの夜を彩る光の演出に心を奪われるだろうけど、東洋一がどうとか、そんなことは気にしないに違いない。
(2006年10月記)