八王子市北部(創価大学本部棟)

創価大学本部棟

中央線で八王子駅へ。北口へ出る。
昔は広々とした駅前だったような記憶があるが。
今は、ひなびた地方都市という雰囲気は一掃されて、デパートや商業施設が所狭しと建てこみ、息が詰まる感じがする。賑やかなのはいいけど。
バス停へ。新宿駅西口のように地下から行けるようになっているが、エスカレーターが完備されていて新宿よりも快適だ。
創価大学行きのバスはすぐに来る。しかし、この日は雨が降っているせいか、クルマが多く混んでいる。いや、いつも混んでいるのかもしれないが。
甲州街道で西へ進み、途中、16号線に入り、北へ進む。
高速道路の中央自動車道をくぐるとじきに創価大学の広々としたキャンパスに着く。創価大学本部棟がある。
大学キャンパス内の校舎が高層ビル、というのは、どの大学からいつ始まったのか、よくわからない。ただ、大学では、都心部、郊外に関わりなく、キャンパス内に高層の校舎棟というが、最近、多いのだ。
創価大学は、創価学会の大学だが、その創価学会は、日本の高度成長期に急拡大し、日本最大の新興宗教団体となる。
その経緯は、マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を思わせる。
高度成長期を経て、豊かになった日本、この豊かさも現世のご利益というわけだろうか。
高度成長期の終わりごろ、日本が豊かになって創価大学が開校している。
さらにバブル崩壊後に、創価大学本部棟が竣工している。
豊かさを維持するためには、知・情報を集積しなければならない、ということはどこも同じなのだ。
ただし、みんなで豊かさを目指した高度成長期には、現世、というものは確かに解決すべき場だったかもしれない。
しかし、現在の勝ち組、負け組みを峻別する格差社会では、現世、ということにどんな意味があるのだろう、とも思ってしまうが。
(2006年11月記)