みなとみらい線元町中華街駅(エクステ山下公園クレイドルタワー)

エクステ山下公園クレイドルタワー

ユーロタワーの本町通りを挟んで北側にはエクステ山下公園クレイドルタワーがある。
一帯のリゾート高層マンション群の中では最も古株だが、それでも竣工したのは数年前である。
高度成長期を経て安定期に到達、経済大国になった日本。
そして、バブルがやってきて、横浜にも広大な再開発、みなとみらいがスタートする。
高層オフィスビルが建ち並び、高層住宅も建ち並ぶ、はずだったのだが。
その再開発、みなとみらい(もちろん、日本各地の再開発もだが)が完成すれば、日本が、何か次のステップに移行するような、そんな根拠もない予感に身震いしたものだが。
しかし、そんなことは夢だったのだ。バブルは崩壊、失われた10年になってしまう。
その後に到来したのが、格差社会なのだ。
格差社会をエンジンにして、また再開発が始まる。
再び高層ビルも建ち始め、街もきれいになっていく。
でも、高層ビルといっても、高層オフィスビルではなく高層住宅になってしまう。きれいになっていくといっても、それはテーマパーク、リゾート地としてだ。
そうでない場所は、打ち捨てられ、シャッター通りと化してしまう。格差社会なので仕方がないことなのだ。
この妙に爽やかな空気をまとった華やいだリゾート地に立ち、昭和の時代を振り返ってみる。
高度成長期、いったい何を目指したのだろう。あの頃、どんな未来があったのだろう。
すくなくとも、あの頃から見て、勝ち組負け組の格差社会が未来ではなかった、確かにそうは言える。
もっとも、そうは言っても、やはり、現代は格差社会になってしまったのだ。こういう道しかなかったのだろうか。
(2007年3月記)