京浜東北線横浜駅西口(シルエタワーヨコハマ)

シルエタワーヨコハマ

元町・中華街駅へ戻り、再びみなとみらい線に乗り込む。
横浜駅で下車。
横浜駅の西口に出る。
いつも思うのだが、横浜駅の西口はどうして、こうも寂れ果てているのだろうか。
横浜駅の東口やみなとみらいの再開発地。そして、関内、桜木町などの横浜リゾート地を見てから、この横浜駅西口に来ると、あまりのわかりやすい格差にわびしくなってしまうのだが。
寂れ果て、更地も点在する一帯を西に歩き、そして北に向きを変える。
環状1号の大通りに沿ってシルエタワーヨコハマがある。
その北側、少し先は、もう丘陵地、山の手となっている。
どういう由来かはわからないけど、町名が軽井沢、というのはなにかの悪い冗談としか思えない。
その西側は、浅間台、となっている。
黒澤明監督の「天国と地獄」のロケ地になった場所だ。
もちろん、山の手、浅間台が「天国」、そして、先ほど歩いてきた、横浜駅の西側一帯の下町が「地獄」である。
(もう一つのロケ地は、伊勢佐木町の西側、黄金町の北側のやはり山の手。野毛山動物園の西の方だ。同じような場所だが)
下町を「地獄」、山の手を「天国」、という考えにとらわれた人物によって事件は引き起こされたらしい。
下町には、分相応な下町の暮らしがあるのだ。それを「地獄」、と考えることから、犯人の異常性が伺え、そのことが事件を発生させていくことになっていく、ということだ。
でも、現代の格差社会における、この更地だらけの寂れ果てた一帯を見るとどうだろうか。
下町は、もはや生活の場ではなく、「ワーキングプア」、という「地獄」なんじゃないだろうか。
(2007年6月記)