山手線田町駅東口(CapitalMarkTower)

CapitalMarkTower

札の辻橋の袂に戻り、東側へ歩く。
藻塩橋で新芝運河を渡り、南へ。
またすぐに百代橋で運河を渡ることになる。
運河が張り巡らされているのだ。
南へと歩いて行くと、すぐにCapitalMarkTowerがある(工事中はこちら)。
元は沖電気の工場があったのだが、巨大な高層住宅になっている。
もはや京浜工業地帯の面影はないなあ。
唯一、あるとすれば、縦横に伸びているこの運河だろうか。
ただの埋立地なら運河はいらなかっただろう。
やはり物資の移送ということで運河が設けられたんだろうな。
ただ、いまでは、親水公園として整備されているようだ。
もはや、運河は、物資の移送ではなく、水辺環境を演出しているにすぎない。
風景としてのみ水の都、というわけだ。
だからだろうか、柳川や倉敷のような日本の水郷、という感じはしない。
本当に街の中で運河が機能しているわけではないからだろう。
水辺を散歩するだけのために運河があるとすると、水郷、というわけにはいかないはずだ。
実際、まわりを見渡すとやはり、コンクリートアスファルトでできた街並み、そこに伸びる側溝のような水路、という風にしか見えない。
でも、何十年も経って、建物もすっかり古び、木々が生い茂り、本当に水郷のようになったとしたら、どうだろうか。
たぶん、今よりもずっと海が近くにあることを感じさせてくれるだろう。
小舟で巡ったりすることもできるかな。
そして、この縦横に走る運河を埋立てずに残しておいてくれたことを感謝するに違いない。
もっとも、自分がそんな光景を見ることは、もうないだろうけど。
(2007年10月記)