山手線有楽町駅西口(有楽町電気ビル)

有楽町電気ビル

今度は、日比谷通りを南へ南へと歩いていく。
西側には皇居と皇居の周りを巡る濠があり、東側のオフィス街とのコントラストが際立った景観となっている。
日比谷濠が直角に西側に折れ曲がり、その先が日比谷公園になるあたりで、東に曲る。
そのまま進めば有楽町駅となるのだが。
通りの北側には、すぐにおしゃれなザ・ペニンシュラ東京がある。
最近、できた高層ホテル。
その東側、駅とザ・ペニンシュラ東京との間にやけにレトロな高層ビルがある。
有楽町電気ビルだ。北館、南館からなるツインビルとなっている。北館の方が高い。
竣工は、高度成長期が終わり、安定期に入った頃。
もとは、東京都交通局の変電所があった場所らしい。だから、電気ビル、というビル名なのだろうか。
ところで、有楽町、というと、ムード歌謡の「有楽町で逢いましょう」ぐらいしか思い浮かばない。
この歌は、デパート開店のキャンペーンソングだったらしいのだが。
戦前、昭和の初めからは、有楽町には、劇場がオープンし、戦後、高度経済成長の頃はデパートが開業している。
銀座、日本橋ほどには、敷居の高くない、庶民でも楽しめる、ちょっと高級で賑やかな商業地、といったところか。
有楽町からだと銀座も近いので、なんとなく銀座の雰囲気も感じ取れる。
だが、バブルの頃に劇場の跡地に有楽町マリオンができてからは、ものすごい勢いで変化している。
都庁はなくなり、ビックカメラが進出し、そして、高級な高層ホテルまで建った。
今後も都心集積化、ということで変貌を続けていくことだろう。
そんな中で、有楽町電気ビルもいつまであるのかわからない。
だけど、このビルを見ていると、「有楽町で逢いましょう」、という歌謡曲が流行った頃の過ぎ去った昔の雰囲気が、残っているような気がする。
いっそのこと、歴史的なテーマパークとして、ずっと残しておけばいいような気もするが。
そういうわけにもいかないんだろうなあ。
(2007年12月記)