中央線御茶ノ水駅南口(明治大学アカデミーコモン)

明治大学アカデミーコモン

そういえば、国際新赤坂ビル西館の通りを挟んで南側には、TBSがある。ウルトラセブンは、そのTBSで放映していたんだったな。
そして、「第四惑星の悪夢」のロボット支配者たちのコントロールセンターにも、実は、テレビ局がある。
もちろん、そのテレビ局のスタジオのシーンには、当時のTBSのスタジオが使われているのだが。
それで、ロボットたちが、どんな番組を作ってるのかと思えば、生身の人間を銃撃する、といった、人間から見れば、実に理不尽なひどい番組を作っている。
そういったことなども、結局、悪夢の一つとして、ウルトラセブンが終わって、テレビを消せば、のんびりした現実世界、日常に戻れた、というわけだ。
そんなふうに昔に思いを馳せながら、近くの赤坂駅から千代田線に乗り込む。
新御茶ノ水駅で下車。
一帯は、駿河台の台地の南側斜面になっている。
その斜面を西に向かって歩いていく。
この日は、冷たい雨が降り続いていて、凍えるような一日だったなあ。
やがて、南へ伸びる大通りの西側に明治大学の巨大な明治大学リバティタワーがあり、その北側に付属高層ビルとして、明治大学アカデミーコモンがある。
失われた10年の後に竣工している。最近、あちこちで建っている大学の高層ビル校舎棟の一つだろう。
何年か前かな、たしか、この大学高層ビルで「拷問展」、というのをやっていた。
リバティタワー、自由の塔で「拷問展」、というのは、なにかのしゃれなのか。たぶん、「自由」の大切さを知る、ということで開催されていたのだとは思うけど。
でも、また、「第四惑星の悪夢」を思い出してしまった。
ロボット支配者たちのコントロールセンターでは、テレビ番組も作っているのだが、当然、ロボットが見るための番組を作っているわけである。
だから、登場する人間は、番組のために、銃撃の標的にされるだけの存在なのだ。
つまり、一方の果てしない自由は、他方を、徹底的に理不尽な立場に貶めてしまう。
そういった意味では、リバティタワー、自由の塔で「拷問展」、というのは、実は、とても相応しいのかもしれない。
もし、「自由」を考えるなら、相互に他方の「自由」を尊重する、という程度でいいんじゃないかな。
冷たい雨がますます降りしきり、手がかじかみそうなので、次の目的地に急ぐ。
(2008年3月記)