日比谷線秋葉原駅(マークス秋葉原工事現場)

マークス秋葉原工事現場

新橋演舞場近くの東銀座駅日比谷線に乗る。
秋葉原駅で下車。
ひさしぶりだ。相変わらず賑わっている。
だが、今回、訪れるのは、賑やかな電気街の方ではない。
比較的に静かな南側、神田川沿いに向かう。
昭和通りに出て、南へ。
総武線の高架をくぐり、さらに南へと歩く。
西から東へと流れる神田川を和泉橋で越える。
もうここまで来ると、昔の秋葉原の雰囲気がするな。
昔の雰囲気がするどころか、完全に取り残されているような感じだが。
神田川を渡ってちょっと歩いたところで、西に曲る。
古そうな低層の事務所棟が建ち並ぶ。おそらく、秋葉原神田青果市場があったころから変わっていないのだろう。
西に歩いていくと、道路の北側、神田川の南岸に柳森神社。
熱心な参拝客がいる、と思ったらタバコを吸っているだけだった。
たぶん、千代田区には、路上喫煙禁止条例があるから、そんな場所でタバコを吸っているのだろう。でも、神社の境内でタバコを吸う、というのはいい眺めじゃない。
京浜東北線の下をくぐって西側に出るとマークス秋葉原の工事現場がある。
高層ビジネスホテル棟、という、なんだか、秋葉原っぽい感じがする高層ビルだ。
狭い場所なので、とても細長いビルになるのだろう。
マークス秋葉原の工事現場も見たことだし、戻ることにする。
来た道を引きかえす。
さっきの柳森神社を再び見ると、やはり、喫煙スペース状態。困ったものだな。
そういえば、この神社には、タヌキの大きな像があったはずだ。
おたぬき様、として、タヌキを祭ってある珍しい神社なのだ。
そして、タヌキは、他抜き、に通じるので、出世競争にご利益があるらしい。
だけど、タヌキの大きな像にしろ、お守りグッズのタヌキ人形にしろ、およそ、出世競争を感じさせるような、厳しい雰囲気がしない。
むしろ、今、流行りのゆるキャラそのものなのだ。
ひょっとしたら、出世競争で荒んだ心持を癒してくれる、そのようなことが狙いなのかもしれない。
他抜き、がユーモラスな形のタヌキだなんて、思わず力が抜けてしまうではないか。
そう考えると、境内でタバコを吸っている輩も、実は、癒されに来ているのかもしれない。(タバコを吸いに来ているので、当然、そうなんだろうが)
ならば、タバコなんか吸ってるより、タヌキのお守りグッズを手にしたり、境内の静かな雰囲気に浸ったり、神田川のゆるやかな流れを眺めたりした方がいいよ。
(2008年5月記)