総武線平井駅南口(ビューネタワー平井)

ビューネタワー平井

市川駅に戻り、再び、総武線に乗る。
総武線は、江戸川を越え、都心へと向かう。
平井駅で下車。
南口に出ると、ビューネタワー平井がある。
バブルが崩壊した後、失われた10年の終わり頃に竣工している。
最近、あちこちで見かける、駅前高層住宅、というわけなのだろう。
このように、平井駅周辺も変貌したのだが、ほんのちょっと前までは、典型的な総武線沿線の下町だったと思うのだが。
いつの間に、きれいに整備されてしまったのだろうか。
昔のことを思い出してみる。
バブルの頃のことだが、東大島駅周辺の再開発を見に行った後は、たいてい、北へ北へと歩き、東西に伸びる京葉道路を越えて、平井駅まで来ていたのだ。
なぜ、そのようなコースを歩いたのかというと、再開発が北へと広がるので、辿っていくと、自然とそうなってしまったのだが。
そんな風にして歩いて来ると、京葉道路からが、平井駅商店街への入口だったのだ。そこからは、両側のお店を見ながら、ぶらぶら歩いていった、と記憶している。
昔ながらの懐かしい商店街が平井駅まで続き、そこを通っていると、ほっとしたものだったな。
そうしている間に、バブルは崩壊し、失われた10年、都心集積化の時代がやってくる。
東大島駅周辺の再開発もどんどん進み、ある時、その再開発地から、幅広な通りが、北へ北へと伸び始めた。
北へ伸びていったその大通りは、やがて、京葉道路を越え、さらに、伸びて、平井駅商店街を斜めに横切っていく。
商店街が、その新しい道路によって、大きく切り裂かれた頃のことだ。
商店街を歩いていて、真新しい幅広の通りにさしかかった時、偶然、近くを歩いていた中年男二人の妙な会話を耳にしてしまった。
曰く、この幅広の道路になった土地を所有していた誰某が、巨額のお金を手にして云々、といった内容だったな。
そのことが原因ではないが、それ以来、平井駅商店街に来ることはもうない。
来ていないのであれば、結局、平井駅商店街の変化については、わからないわけだが。
でも、はっきりしていることはある。
この商店街が変貌したのは、その誰某が、巨額のお金を手にした後、ということだ。
なんてことはあるのかな。
(2008年7月記)