山手線上野駅(東上野4丁目計画)

東上野4丁目計画

やっと今年も終わった。一年を振り返り、万感の想い。
来年のことは、さておいて、とりあえず、ゆっくり、休もう。
いつも、正月休みは、こんな感じなんだが。
家に帰って、ほっと一息ついて、テレビを付けたら、沢田研二のコンサート。
思わず、懐かしくなって、見入ってしまう。
ぶよぶよした体で、どたどた、走り回る姿。そんな光景に、最初は、ちょっと、戸惑ったけど。
でも、一生懸命な感じがして、とても、親しみやすかったな。
楽しそうに歌っている沢田研二。けっして、老醜なんかではない。とても、格好よかったよ。
沢田研二の歌で、自分が覚えているのは、ストリッパー、おまえにチェックイン、6番目の憂鬱。そして、背中まで45分。
どれも、安楽な時代の中、アンニュイなファッションが、はまっていた。
けれど、その少し後だろうか。沢田研二の歌は、第一線から、徐々に、後退していったんだっけ。
時代は、バブルの熱狂へ。
みんなが、ジュリーになってしまったのかな。
だから、本物のジュリー、沢田研二は、忘れられてしまったのかもしれない。
そんなことを考えながら、懐かしさに浸っているうちに、テレビの前で、そのまま、寝入ってしまった。
翌早朝、寒さで目が覚める。布団に潜り込んで、二度寝
再び、目覚めたとき、明らかに体調が、ものすごく、おかしいことに気付く。
もしかして、風邪が、ぶり返してしまったのか。そんな、馬鹿な。せっかくの休みなのに、それは、とても困るなあ。
そんな不安を抱えながら、出掛ける。案の定、みるみる、風邪は、ひどくなっていく。
高田馬場駅から東西線茅場町駅へ。日比谷線に乗り換え、上野駅で下車。
地上に出ると、JR上野駅の東側に、南北に伸びる昭和通り。その昭和通りを北へ北へと歩いていく。
しばらく、進むと、通りの東側に東上野4丁目計画。
ここまでが、限界だ。体調がひどい。もう戻るしかないな。
けれど、来て、よかった。
地下鉄の通路を、ゆっくり、ゆっくり、歩いていく。頭の中には、沢田研二の「TOKIO」が、流れている。
「空を飛ぶ 街が飛ぶ 雲を衝き抜け 星になる スーパーシティが舞い上がる」
東京、東京が、空を飛ぶ。東京、東京が、星になる。
東京が、スーパーシティになる未来像、夢は、自分の中で、もう、永遠に消えそうにないな。
(2008年12月記)