山手線大塚駅(北大塚計画工事現場)

北大塚計画工事現場

高田馬場駅から山手線。大塚駅で降りる。
天気は、どんよりとした曇り。
気温は、それほど、低くはなかったけど、寒々しい雰囲気だ。
そういう天気だから、というわけでもないが、駅前は、閑散としている。
その寂しい光景を見ていると、一層、寒々しい感じがするな。
駅北口に出て、東へと歩いていく。
大昔、まだ、池袋が、栄えていなかった頃、大塚駅前には、デパートもあって、大いに賑わっていたそうだ。今となっては、なんだか、信じられない。駅前には、広場はあっても、他には何もないからだ。
そのさらに昔には、大きな塚があった、というわけもでもないらしいけど。
その大塚の語源になった、大きな塚は、ずっと南側の、今の茗荷谷駅の西側あたりに、あったらしい。
そのあたりが、本来の、大塚だったのだ。
そこに大塚駅も設置される予定だった、ということだが。
しかし、すでに、文京山の手が拡がっていたので、そんな山の手に、鉄道が通るはずもなく、駅が設置されるはずもなく、鉄道路線は、ずっと、北側を迂回することとなる。
大塚駅も、ずっと北側、今の位置に落ち着いた、というわけだ。
そのように、巣鴨の西側の何もない場所に、駅が設置されたからだろうか。むしろ、新しい都市化の波に乗って、大いに発展したらしい。
だが、池袋が発展するにしたがい、大塚は衰退し、忘れ去られていく。
そして、最初の頃のように、何もない場所に、また、戻ってしまったのかもしれない。
栄枯盛衰、ということだろうな。
どんどん、東に歩き、住宅地に入っていくと、通りの北側に、北大塚計画の工事現場。
今度は、高層住宅が建ち並ぶ、閑静な街になるのだろうか。
なんとなく、そういう気もする。文京山の手が拡大してきたのかな。
今の、侘しい、うらぶれた感じのする、大塚の街も、好きだったのだが。侘しいままでは、いけないものらしい。
やはり、栄枯盛衰、時代の流れ、なのだろう。
(2009年1月記)