京浜東北線桜木町駅(クィーンズタワー前のオブジェ)

クィーンズタワー前のオブジェ

ランドマークプラザを出ると、クィーンズタワーの南側に出る。
いつものことだが、妙なオブジェに、惹きつけられるな。
銀色に輝くステンレスの管が、宙をうねっているのだ。
もっとも、どんな謂れのある作品なのかわからないが。
探せば、どこかに、タイトルでも、あるかもしれないけど、いつも、その妙なオブジェを見上げるばかりで、通り過ぎてしまう。(タイトル名は「モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー」という)
後で、調べてみると、「たなびく雲」をイメージしているらしい。
そう言われてみれば、なんとなく、マンガに出てくるような、雲の形に見えなくもないが。
ただ、このオブジェを見て、自分が、まず思い浮かべるのは、ジェットコースターだ。
あるいは、雲、だとしても、もくもくと盛り上がる、積乱雲だな。
いずれにしても、ジェットコースターや積乱雲、ということなら、上下左右への、めまぐるしい動き、刹那的な動き、を感じてしまう。
たなびく雲、といった、穏やかな感じはしない。
ところで、このオブジェが、登場したのは、ランドマークタワーや、ランドマークプラザができた頃だ。
その頃は、まだ、隣のクィーンズタワーは、できていなかったので、このオブジェ、ランドマークタワーを背景にして、ちょっと離れたところから見れたかもしれない。もしそうなら、ランドマークタワーを山に喩えれば、まさに、その麓に「たなびく雲」、だったろうな。
とすると、実は、この作品、こんな風に、間近に、下から、見上げたりすることを、想定していなかったのかも。それに、いつも見るときは、背景に、クィーンズタワーが、迫るようにして、建っているのだが、もともと、そのクィーンズタワーは、なかったわけだし。
ひょっとして、クィーンズタワーが建った時点で、この「たなびく雲」は、喩えれば、ビル風によって、乱気流に変貌してしまったのかな。そう考えると、わかりやすいかも。
そうか、「乱気流」なら、ぴったりだな。
そして、穏やかな「たなびく雲」が、「乱気流」になってしまった様子に、今の世の中に翻弄されている自分が、心奪われるのは、当然かもしれない。
(2009年3月記)