りんかい線国際展示場駅(国際展示場駅前)

国際展示場駅前

シンボルプロムナード公園に戻り、北へと歩く。
そのまま、まっすぐ進むと、りんかい線国際展示場駅
この駅の開業は、ちょうど、臨海副都心の宣伝を担った、都市博覧会の開催日あたりだったな。
だが、都市博覧会は、バブル崩壊で、中止になってしまった。ということは、実は、あまり、必要に迫られた、開業ではなかったかもしれない。
つまり、りんかい線開業の目的は、そもそも、都市博覧会の来場者のため、だったはずだ。都市博覧会が、開かれない、となると、開業の目的もなくなってしまう。
それに、たしか、当初、開通したのは、新木場駅から東京テレポート駅までだけ。これでは、まるで、京葉線の支線ではないか。しかも、別料金まで徴収されるし。
実際、このような状態のとき、何度か、りんかい線に乗っているのだが、本当に、がらがらだったな。
埼京線が、大崎駅から、乗り入れている今でも、国際展示場駅から新木場駅までの区間は、空いているのだから、当時は、それ以上だっただろう。
地方の廃線寸前の赤字ローカル支線みたい。しかも、着いた先にあるのは、見渡す限り、広がっている、荒涼とした原っぱなのだ。なんか、本当に、できすぎだったが。
さらに言えば、駅構内が、やたらと、でかい。都市博覧会に訪れるはずだった、大勢の乗客のために、広めにしてあるに違いない。
ビッグサイトで、何か、人気のある、催しでも、あった時は、便利かもしれないけど。
そうでないときは、このがらんとした、広い空間を見ると、わびしくなってしまう。
ひょっとしたら、都市博覧会の中止を受けて、りんかい線の開業も、延期し、大崎からの路線が完成した時点で、一括開業、という道もあったのかもしれないな。
ただ、今から振り返ってみると、この無用な路線が、臨海副都心の、廃墟のようなアーバンリゾート地の雰囲気を、いっそう、高めていたようにも思える。
なにせ、地方の赤字ローカル支線みたい、なのだから。鄙びた感じがするはずだ。
もちろん、そんな効果を狙って、開業したわけでないんだろうけど。
(2009年3月記)