山手線渋谷駅(旧山手通り)

旧山手通り

さらに、坂を登っていく。登りきったところには、246号線。
そして、山の手、ということになる。
だから、この坂を登る行為、なにか、山の手への階梯を登り詰めていく、という感覚みたい。
最初は、渋谷センター街から始まり、文化村のデパート、さらに、スポーツカーなんてあったな、そうして、山の手に辿り着くわけだ。
もっとも、坂を登るのは、ちょっと、疲れるが、いつでもできるけど、社会の階層への階梯を、登るなんて、まず無理だな。
見せ掛けだけの、階梯は、あっても、あくまでも、言い訳程度の飾り。登るなんて、端から無理。
せめて、道玄坂を登ることで、わずかな雰囲気を、感じる程度だな。
ということで、登りついた、246号を西へと歩いていく。
上空を首都高の高架が通り、しかも、交通量も多い。
だが、大動脈ではあっても、都心から、田園都市を結んでいるので、たんに、クルマが、大量に通過するだけ、という感じでもない。
しばらくすると、南北に伸びる、旧山手通りとの交差点。
あくまでも、「旧」山の手通り、ということで、別に、山手通りは、ちゃんと、存在している。西側を、迂回するようにして、通っていて、交通の流れは、むしろ、そちらの方が中心になっている。
ただ、旧山手通りの方が、青葉台、西郷山、代官山を通っていて、本当の「山の手」、なのだが。
あるいは、本当の「山の手」だからこそ、迂回路を作って、大量のクルマが、入ってこないように、したのかもしれない。
実際、山手通りは、「山の手」に便利な通りではあっても、「山の手」を通っているわけではないのだ。
たまたま、本当の山の手を、通してしまったので、後で、慌てて、別の通りを開通させ、そちらを、本道、ということにしたんじゃないかな。
わからないけど。
特に、山の手には、用もなければ、縁もないので、246号を、さらに、西へと向かう。
(2009年5月記)