山手線渋谷駅(渋谷の赤いスポーツカー)

渋谷の赤いスポーツカー

渋谷に初めて来たのは、いつ頃だったかな。
たしか、バブルの時代だったかな。タワーレコードに行くために渋谷に来たのだ。
その頃、タワーレコードは、センター街をずっと歩いた先にあった。店名通り、まだ、CDではなくて、レコードも置いてあったっけ。
まだ、目新しかった、CDは、妙に細長い厚紙の容器に、入っていたなあ。
今の場所に、タワーレコードが、移転したのは、バブルが崩壊して、どん底の頃。
タワーレコードが、移転して来る前は、パオ、とかいう、子供服専門のビル、だったかな。
そのパオ、なのだが、バブルの勢いで、鳴物入りで、開店したのだが、バブル崩壊と共に、早々に、姿を消してしまったのだが。
こうして、道玄坂を、登っていると、こんな風に、昔のことを、懐かしく、思い出してしまう。
どんどん、登っていると、道路脇の駐車場に停めてある、真っ赤なスポーツカーが、ふと、目に付いた。
ホンダS2000だ。
そういえば、徳大寺有恒氏が、このクルマ、絶賛していたな。
たぶん、ライトウェイスポーツカー、という部類なんだろうが。
ただ、この手のクルマ、最近は、あまり、見なくなった。
徳大寺有恒氏の本も、もう、出ていないし。
そもそも、自分からして、昔と比べて、ほとんど、クルマに乗ることは、なくなってしまっている。
クルマに乗っていた昔、というのは、もちろん、バブルの頃だ。
あの頃は、スペシャルティカー、といっていたかな。
本当に、そこら中、走り回ってけど。今は、どうしちゃったのだろう。
そこまで、考えてきて、気付いたのだが、渋谷に行かなくなったのも、クルマに乗らなくなったのも、同じこと、なのかもしれない。
だから、渋谷に来て、思わず、ホンダS2000に、惹き付けられてしまったのだ。
謎が解けても、あまり、すっきりしないのだけど。
(2009年5月記)