南北線麻布十番駅(麻布十番駅付近の古川)

麻布十番駅付近の古川

南から北へと、流れてきた、古川は、この一の橋を過ぎたあたりで、ほぼ、直角に向きを、東に変え、そのまま、東へと、流れていく。
こう見てくると、一の橋公園といい、古川の流れといい、なかなか、興味深い、景観のようだ。
そのような、麻布十番駅周辺なのだが、実は、この駅が開業する前、この近くまで、来たことがある。
六本木ヒルズの工事が始まった頃だろうか、その予定地を見に来た時のことだ。その南側の縁に沿って、歩いていて、下り坂だったので、そのまま、どんどん、下っていったら、今の、麻布十番駅近くの、交差点に行き着いた。
その後は、鳥居坂あたりを通って、六本木の方へ、向かったと思う。
ただ、残念ながら、古川は、少しは覚えているが、一の橋公園については、まったく、記憶に、残っていないのだ。
たぶん、バブルの頃や、その以前の安定期の頃は、いたるところ、オブジェを配した、人工的な空間が、出現していたので、特に、目立つ存在ではなかったのだろう。
だからこそ、その時代の、当たり前の風景として、「東京ラブスーリー」の一シーンにも登場したわけか。
そう考えると、一の橋公園が、昔からあるように、思えない、というのは、一の橋公園が、当たり前のように、あった時代が、もう、過ぎ去ってしまった、ということかもしれない。
大袈裟に言えば、まわりの雰囲気が、様変わりしてしまい、その時、初めて、変わらない、妙なオブジェのある、一の橋公園に、気付いた、ということか。
ということは、一の橋公園は、レトロになったわけだ。
たぶん、今の時代、この場所に、相応しいのは、直角に向きを変える、古川を中心にした、庭園のような、親水公園、なのかもしれない。
自分にとっては、今のまま、レトロな方が、ずっと、懐かしくていいのだけど。
(2009年6月記)