日比谷線南千住駅(南千住七丁目 日枝神社)

南千住七丁目 日枝神社

再び、南千住駅の西側に出る。
ちょっと前まで、小さな、駅前広場の周囲には、古びた、店が、並んでいたのだが。
今では、すっかり、姿を、消してしまった。
なくなって、わかるけど、そのような、商業地域、存外、狭い範囲に収まっている。
店が並んでいた頃は、迷路のようになって、周囲に、果てもなく、広がっていると、思っていたな。
すっきりして、それが、錯覚だとわかるのはいいが、興醒めな感じがするばかり。
そんな駅前から、細い道を、北へ北へと、歩いていく。
都心下町の住宅街、隅田川近く、その果てに、日枝神社
小さな、社だが、創建は、鎌倉時代の終わり頃と、けっこう、古い。
古いだけではなく、もう一つ、有名なのは、虫歯除けの神社としてだ。
なんでも、江戸時代、あまりの虫歯の痛さに、切腹して果てた、武士に因んでいる由。
当時は、歯医者なんて、いなかっただろうから、虫歯といえど、かなり、深刻だったに違いない。
だから、虫歯除けも、必要だったのだ。
ちなみに、現在の歯ブラシに当たるのが、昔は、先を、房状にした、房楊枝だったらしい。今もある、爪楊枝も、歯磨きが目的なのだろう。
そういえば、以前、テレビ番組で見たのだが、アフリカの原住民が、先を毛羽立たせた、小枝で、歯を磨いていたが、房楊枝と、似ているかも。
もっとも、歯磨きをするシーン、あまり、絵にならないからか、時代劇では、見た記憶はない。唯一、あるとすれば、木枯し紋次郎。うろ覚えだけど、特集番組で、たしか、焼塩かなんかを、指に盛り、それで、歯を、ごしごし、磨いていた。
たぶん、昔は、いったん、虫歯になってしまうと、深刻な状況に、陥ってしまうので、歯には、格別の、注意を、払っていたことだろう。
今は、とりあえず、歯医者がいるので、虫歯になっても、なんとかなる。
歯について、それほど、心配しなくても、よくなったわけだが。
でも、心配事が尽きないのは、どうしたことだろう。
(2010年3月記)