山手線代々木駅(駅西口側 代々木駅への道)

駅西口側 代々木駅への道

ペデストリアンデッキを降り、地上へ。
南へと、歩いていく。
小田急線の踏切を、渡ると、代々木の街。
いままでの、都会的な、風景から、一変して、なんとなく、下町っぽい感じがする。
かつて、東側には、渋谷川、西側には、代々木川の流れが、あって、全体に、低地、だからだろう。低地は、下町になりやすいのだ。
一方、北側の新宿は、高台、あるいは、尾根筋になるので、対照的だな。
地名も、本来は、たとえば、明治時代の地図を見ると、千駄ヶ谷村、となっているので、千駄ヶ谷、という方が、谷地には、合っているように思える。
そもそも、代々木、というのは、はるか、南西側の、代々木八幡駅あたりの地名。
なんで、駅名が、代々木になったのか、よくわからない。
さらに言えば、代々木川、というのも、かつては、渋谷川との合流地点、原宿に因んで、原宿川、といった、名前だったんじゃないかな。
もっとも、そういった、曖昧なところが、下町たる、所以なのかもしれないけど。
それに、その、曖昧さを、許容してしまうところ、なんとも、緩くて、居心地が、良さそうだ。
こういうところに、澱んでいたいなと、思ってしまう。
だが、現代は、そんな場所の、存在は、許されていない。
いずれ、こういう緩い場所は、追い立てられるのかも。
(2010年4月記)