京浜東北線さいたま新都心駅(さいたま新都心駅西側の回廊)

さいたま新都心駅西側の回廊

ペデストリアンデッキを東へ歩いていくと、さいたま新都心駅
天井部分が、輪を半分にした形の鋼板を、幾重にも、重ねたようで、なかなか、未来的な、感じがする。
ただ、未来的、といっても、完成したのは、もう、十年も前のこと。
できたのは、最近のことだと、思っていたな。
駅が、完成したのは、バブルが崩壊した後の、失われた10年、その終わり頃。
たしか、汐留シオサイトも、同じ頃だった。
ようやく、不景気を脱して、また、以前の、好景気がやってくるかな、なんて、さすがに、楽観することはなかったけど。
実際、バブルの頃や、それ以前の、安定期の頃と、様相は、かなり、違っていた。
そもそも、まったく、暮らしは、よくならなかったし。
たしかに、街並みは、変わっている。
でも、それは、中心部だけ。地方は、衰退していくばかり。
埼玉も、以前は、地方都市だったのに、今は、どこにでもあるような、郊外になってしまっている。
とはいえ、この、さいたま新都心の、狭い区域だけ、未来、というのも、事実だ。
衰退していく地方という海に、浮かぶ、孤島のような、未来都市。
その未来の街並みが、登場してから、もう、10年も経つのか。
未来都市は、未来が来ない間に、そのまま、どんどん、古びていくようだ。
そして、結局、レトロになっていくわけか。
それはそれで、いいのかもしれない。
そろそろ、帰らなければ。
さいたま新都心駅で、京浜東北線に乗り込む。
(2010年5月記)