有楽町線新富町駅(新富町駅周辺)

新富町駅周辺

三吉橋で、思い出すのが、三島由紀夫の「橋づくし」。
無言で、七つの橋を、渡りきると、願い事がかなう、という俗信じみたことを、実行する話。
その出発点が、三吉橋なのだ。
ただ、「橋づくし」、そのまま、南へと、築地川を下っていくわけではなく、上流へと、上っていく。
すなわち、まず、東へ向かい、南北に伸びる、新大橋通りとの交差点、入船橋交差点を過ぎたあたりで、南へ。
築地川の流路跡が、緑地帯として、今に、残っている。
しばらく、南へ向かい、東へ、向きを変える。聖路加病院の南側を、そのまま、東へ。
こちらは、あかつき公園として、流路跡が、残っている。
隅田川に行き当たると、そこが、築地川の、出発点だ。
こうみると、築地川、川というよりも、隅田川の川水を、引き込んだ、水路なんだろうな。
だが、「橋づくし」は、隅田川に向かうわけではない。
築地川は、さらに、南へも、伸びていて、そちらに、向かうのだ。
南へと、進むと、今度は、築地本願寺あたり、別の水路が、北西へ。
これで、七つの橋を、いちおう、クリアするらしい。
コースを見ると、ぐるりと、回っているようなので、そういうことも、条件に入っているようだ。
ふと、もしかしたら、と思い、今日の、道行を、振り返ってみる。
三吉橋、亀井橋、祝橋、万年橋、采女橋、そして、千代橋。
「橋づくし」では、三吉橋は、三叉の橋、ということで、二つ分の橋、にしてある。
ということは、七つの橋、ではないか。
特に、願をかけたわけではないけど、これで、願い事が、かなうのかな。
たんなる、作り話でのこと、真に受けるつもりもないが。
でも、ちょっと、嬉しくなる。
帰るため、そのまま、新富町駅へ。
(2010年11月記)