有楽町線豊洲駅(元深川消防署豊洲出張所の古い建物)

元深川消防署豊洲出張所の古い建物

晴海通りを、南東へ。豊洲駅に戻る。
豊洲駅近く、通りの、西側には、元深川消防署豊洲出張所の建物。
もう、廃墟に近い、いや、すでに、廃墟になっているのかな。
まわりは、再開発されていて、ここだけ、取り残されている。
この建物、完成したのは、高度成長期の終わり頃。
もうすぐ、高度成長を達成して、安定期に、到達する、というところ。
当時、まわりは、広大な工場と、高度成長期に完成した、団地があるだけ。
そういえば、あと少しで、ここから、それほど、遠くないところに、コンビニ1号店が、開店するのだ。
世の中、急速に、すみずみまで、整備されていき、豊かになり始めたっけ。
今から思うと、ちょっと、怖いような、あるいは、いいのかな、という感じ。
でも、そんなこと、しばらくすると、すぐ、忘れて、有頂天。
どういうわけか、すごく、忙しくて、忙しくて。
それが、バブル期だったわけか。
しばらくして、バブルは、崩壊。
ただ、当時は、崩壊、ということは、それが、正常に戻る、ということと、裏表だったような気がする。
ということで、ニュースでは、投資と、前倒し発注の、勇ましい、掛け声。
だが、期待をもたせつつも、いっかな埒は明かない。
しばらくすると、ようやく、気が付く。
バブルが崩壊しただけではない。
そもそも、それ自体、土台から、つまり、バブルの基盤だった、安定期まで、崩れ去ってしまったのだ。
その成れの果てが、今の世の中。
目の前の、当時の、この廃墟を見ると、広大な工場と、団地があった、あの頃、将来は、どんなだっただろう、未来は、どんなだっただろう、と思ってしまう。
ひょっとすると、この廃墟、昔の廃墟ではなく、未来そのものの、廃墟なのかもしれない。
もう、帰ろう。今年も、残り、わずか。
来年は、どんな、年になるんだろう。
有楽町線豊洲駅に向かう。
(2010年12月記)