都営大江戸線勝どき駅(都営勝どき六丁目アパート)

都営勝どき六丁目アパート

巨大な、高層住宅の、南西側には、古い、集合住宅がある。
都営勝どき六丁目アパート。
竣工は、高度成長を達成した後、安定期に、入った頃。
完成した当初は、近未来的な、建造物だったに違いない。
そして、この、集合住宅、映画、「家族ゲーム」の、舞台だったのだ。
あの、妙な、家族は、こんな、集合住宅に、住んでいたわけか。
竣工してから、数年で、映画が、世に出たのだから、映画の中では、まさに、近未来住宅、という、設定だったのだろうな。
そういえば、当時、ずいぶんと、「家族ゲーム」、流行ったっけ。
でも、家族がゲームなのかどうかは、現実に、例えば、夜になって、この、集合住宅に、無数の、家明りが、灯るのを、見れば、あまりにも、自明なことだろう。
それよりも、むしろ、運河から、登場し、集合住宅に入り、運河へと、退場していく、あの、家庭教師こそが、重要な、存在なのかもしれない。
そもそも、いったい、彼は、どこから来て、どこへ、戻っていったのだろうか。
(2011年5月記)