東西線茅場町駅(新川二丁目 新川金刀比羅神社)

新川二丁目 新川金刀比羅神社

霊岸島に引き返す、といっても、島、ではなく、実際は、運河に、囲まれている感じなんだが。
東へと、歩いていくと、北東へ伸びる、鍛冶橋通りとの、交差点。
鍛冶橋通りに入り、北東へ。
しばらくして、東側、街中、細い道に、入る。
すぐに、道路の、北側に、新川金刀比羅神社
江戸時代の創建だ。
一帯の、江戸の街づくり、順調に進み、落ち着いた頃だろう。
ところで、細い道を挟んで、南側には、田宮神社という、おそらく、ここらへんでは、もっとも、有名な、神社がある。
有名なわりには、木々に覆われ、ほとんど目立たない。
どういうことで、有名かというと、東海道四谷怪談、主人公、田宮家の神社なのだ。
明治時代に入り、新富座近くに、神社を、移して欲しい、という、歌舞伎役者の要望があり、この地に、移ってきたらしい。
東海道四谷怪談、といえば、江戸時代に、創作された、荒唐無稽な、怪談話に、すぎないのだろうけど。
ただ、よくできた話は、市井に暮らす庶民にとって、あるいは、そうでなくとも、否定のしようもない、現実の一つ、ではあるのだ。
その証拠に、こうして、神社もあるし、お参り、ということもある。
現実の中において、もはや、それらを、否定することは、できない。
とすると、ただの作り話であっても、それは、どうしようもなく、現実なのだ。
細い道、西へ。鍛冶橋通りへ、戻る。
(2012年1月記)