白金(白金タワー)

白金タワー

飯田橋駅南北線に乗る。白金高輪駅で下車。
桜田通りの西側に高層住宅棟の白金タワーが聳える。
付属するオフィス棟はNBFプラチナタワー。通りを挟んでシティタワー白金高輪もある。
今でもあると思うが、この再開発地には町工場も付設されていたはずだ。
白金といっても古川沿いは実は下町っぽい。たとえば、飯田橋北部の町工場が多くある神田川沿いに雰囲気は近い。
しかし、この一画だけ、妙にこぎれいな街並みになっている。つくづく思うが、高層住宅は、人工的な山の手ではないだろうか。
白金という地名は、鎌倉時代から室町時代か、古川(上流は渋谷川)の南側に白金長者と呼ばれた者によるらしい。北岸には黄金長者もいた。(長者とは一族筆頭という意味もあるが、ここでは裕福な者という意味でいいだろう)
ずいぶんと景気がいい名前だが、産業も商業もないところでどうしてそんなに豊かだったのかわからない。
一説によると、渋谷川(古川の上流)とは、金渋(鉄分で赤茶けた水のこと)から付いた名前らしく、それが本当なら、ひょっとすれば、砂鉄でも採取できたのかもしれない。
(もっともそんな遺跡の話も伝説も聞いたことはないが)
いずれにしろ、白金という名前は現代に蘇る。
意味は微妙に違っているかもしれない。でも、人々の憧れと夢をのせて蘇った。
(2006年8月記)