南新宿(JR東日本本社ビル)

JR東日本本社ビル

西武新宿線で新宿へ。
西口高層ビル街を横目で見ながら南へ歩く。甲州街道を渡り、新宿駅南口のペデストリアンデッキへ。
駅西側にJR東日本本社ビルが聳える。
西新宿の高層ビル街があるが、一応、新宿駅南口でひとまとまりのビル群となっている。
しかし、この新宿駅南口ビル群のビルは駅にぴったりと身をよせるように建つ。
駅の南西側は、すぐにその西側に代々木の住宅街が広がるからだが。
代々木の住宅街は文京山の手に次ぐ古い山の手住宅街である。
また、代々木といっても代々木公園や代々木上原から北に広がる台地を指していて、代々木駅周辺は、本来は千駄ヶ谷であるようだ。
そして、そのような山の手の周辺にビルが建っていき、代々木の山の手住宅街と新宿の繁華街とは隔絶される。
まるでシェルターのようだ。
最近のアメリカのゲーテッド・コミュニティ―になっていくのだろうか。
あるいはすでに巧妙なゲーテッド・コミュニティ―が出来上がっているのだろうか。
ペデストリアンデッキでは多くの人々が行きかい、たまにまぶしそうに高層ビルを見上げる。
高層ビルから見下ろされていることに気付き、すぐ視線を下に落とす。
空間、あるいは社会を隔絶している壁があることに気付く前に視線を落としてしまうのだ。
そして、行きかう人々の中に埋没してしまう。
(2006年8月記)