文京区後楽(東京ドームホテル)

東京ドームホテル

飯田橋駅北側、神田川の北岸へ出て、外堀通りを東へ。水道橋方面へ歩く。
東京ドームの南側に東京ドームホテルが聳える。
一帯は江戸時代、徳川水戸藩上屋敷であり、そのころ小石川後楽園が作られる。
明治時代になり、東側は軍の施設になるが、昭和に入ってしばらくして後楽園球場が開業される。
その後、球場は東京ドームになり、西側は小石川後楽園、東側は東京ドームシティとなって、現在に至る。
そして、南側、外堀通り沿いと西側、飯田橋の北、北側の春日と高層ビルが取り囲むように建つ。さすがに文京山の手の本郷側には高層ビルはないが。
また、学校などの諸施設も多い。
中でも、極めつけの施設は東京ドームだろう。(ちなみに東京ドームは後楽園球場の北側に建っている。そして、後楽園球場の跡地に東京ドームホテルが建っている。)
この東京ドームの登場こそはまさにバブルの絶頂期のころだ。あの時代の象徴といってもいいかもしれない。
しかし、今から冷静に見てみると、ただ球場を膜で覆っただけである。それだけのことが象徴だとすると、あの時代の背伸びした張りぼてぶりがいかにもわびしい。
もっとも、バブル崩壊後も東京ドームホテルが建ち、また、現在も高層ビルが建ち続け衰える気配はない。
おそらく、北側を文京山の手が占め、南西側には番町、麹町があり、まさに近場アーバンリゾート地の先駆だからに他ならない(上野、浅草は東側に文京山の手があるだけだが)。
淀んだ沼地でも、その水面が太陽の光を反射して波の間に鈍くきらきら光るように、この先も輝いていくだろう。
(2006年8月記)