港区神谷町(城山トラストタワー)

城山トラストタワー

坂を登り東へ。
そして坂を下ると神谷町となる。ちょっとした峠越えのようだ。
下り坂の途中に城山トラストタワーが聳える。
バブルのころ、竣工する。
北側のアークヒルズと比べ南側に開けているので明るいはずだが、同じように陰気な谷筋となっている。
神谷町には他に神谷町森ビルがある。
こちらはビル群ではないが、住宅棟、スウェーデン大使館、テレビ東京が一体となり城山ガーデンというエリアを形成している。
最初は城山ヒルズという名前だったが森トラストが森ビルと区別するために名前を変えたらしい。
ヒルズとすると、あからさまに山の手をイメージさせるので変えたのかと思ったが。
しかし、明らかに無骨な感じのアークヒルズよりも洗練されていて、こちらの方がヒルズというイメージにはぴったりのような気もするが。
それにしても、東京のローカル放送局のテレビ東京がその一画を占めているということは、少し驚いた。
東京とはいえローカルに変わりなく、お世辞にも山の手、というイメージではなかったからだ。
しかし、ローカルというものが消滅してしまった現在から振り返ってみると、再開発に放送局が加わるということにおいて、テレビ東京が先陣をきったということは、象徴的だったと思う。
そして、ちょうど同じ年、「ローカルの喪失」ということがメインテーマだった「東京ラブストーリー」なんていうテレビドラマがやっていた。
多元的な価値観を許す「ローカル」は消滅し、今や、勝ち組、負け組み、という一元的な価値観しかない。
国内版、グローバリゼーション、ということか。(ちょっと意味が変だが)
(2006年9月記)