赤坂(赤坂4丁目薬研坂南地区再開発ビル)

赤坂4丁目薬研坂南地区再開発ビル工事

西側に歩く。TBSの北側を西へ抜けると薬研坂のある小道。
薬研坂を北に歩く。坂を下る手前に赤坂4丁目薬研坂南地区再開発ビルの工事現場。
青山通り沿いの薬研坂北地区(赤坂ガーデンシティ)はもう完成している。
まわりは住宅地も残っているようだが、容赦なく高層ビルが建っていく感じだ。
赤坂4丁目薬研坂南地区にはもとはレコード会社のコロムビアがあった。
明治の終わりごろ登場した日本最初のレコード会社。レコードばかりではなく歌謡界に絶大な影響力を持った。
赤坂絶頂期に赤坂を見下ろすこの地に移転してくる。まるで引き寄せられるように。
しかし安定期に入り、赤坂が凋落するのと合わせるように衰退していく。
音楽がレコードという商品の流通に集束していくことについていけなかったのだろう。
そしてバブルからバブル崩壊にかけて完全に赤字経営に転落。
もっとも他のレコード業界もバブル景気で儲かっていただけで、バブル崩壊後に続く失われた10年以後、急速に売上げは落ち込む。
バブル崩壊が遅れただけだったのだが。
現在、音楽はイコールレコード、よりも、音楽イコールデジタル化されたデータ、となっている。
デジタル化されたデータの方が、資産の集積化とはるかに親和性が高いからだ。
そのことを意識したのかどうか、コロムビアレコードは、六本木へと移転していく。
まるで引き寄せられるように。赤字からは脱却したようだが。
そして、跡地には、また巨大ビルが建つ。
(2006年9月記)