浜松町駅・芝浦一丁目(東芝本社ビル)

東芝本社ビル

山手線に沿って南へ。地下道をくぐって山手線の東側に出る。
さらに古川を渡ると東芝本社ビルが聳える。
浜松町駅から直接行けばこんな面倒はないのだが。
他のビルとしては、古川の北岸に東京ガス本社ビル。東芝本社ビルの南側にシーバンスN館、S館がある。
これらのビル群は、古川沿いのビルということでもある。
東芝は、明治の初めからある芝浦製作所と東京電気が昭和の初めに合体してできた。
日本では最古の総合電機メーカーであり、戦前まではトップメーカーだった。
戦後になり、トップではなくなったものの、高度経済成長期までは家電製品を引っ張り、安定期を迎える。
そしてバブルの到来となる。東芝本社ビルが建ったのは、ちょうどそのころだ。
その後、バブル崩壊失われた10年を経て、このビルが建ち続けているように東芝もたち続けている。
しかし、東芝は残ったが、多くの中小企業は消え去り、後発国の工場がその役割を担っている。
高度成長期に作り上げた、あるいは結果的にできあがった世界貿易の枠組みの中にグローバル企業は入っているが、中小企業はまったく関係なかったわけだ。
当然といえば当然だが、バブル前は、当然でもなかったように思う。
夢ははじけて飛び散って、あとは端正な巨大なビルを見上げるばかり。
いや、見上げるだけで済むならいい。諦めて済むならいい。
いまだに、この世界貿易の枠組みは、ますます強大さを増して動き続けている。
あの高みへ一歩も登れはしないとわかっているのに、そうしなければならない。
夢なら諦めれば済むが、どうやら夢とは思ってくれないらしい。
(2006年9月記)