虎ノ門(JTビル)

JTビル

高田馬場から飯田橋南北線へ乗換え。途中、溜池山王で今度は銀座線に乗り換える。
虎ノ門駅で下車。
西側へ少し歩くとJTビルが聳える。
細長いシルエットは特徴があって遠くから見てもよくわかる。
JTとは日本たばこ産業のことだが、たばこの製造が日本で唯一認められている企業である。
戦前は大蔵省専売局がたばこ産業を独占し、利益を国に還元していた。戦後は専売公社が引き継ぎ、バブル前に特殊会社日本たばこ産業になり現在に至っている。
それを受け、バブル崩壊あたりに本社ビルとなるJTビルが建つ。
バブル前は、三公社のうちもう二つ、国鉄日本電信電話公社もそれぞれJR、NTTになっている。
民営化といえば、借金と非効率の問題解決という大前提になっているが、赤字でもない専売公社もついでに民営化されているというのは妙な感じだ。
世界貿易の枠組みというのが、本当の理由なのかな。
たばこ事業で税収を補完していた部署がいつのまにか大企業になって、でかいビルを建てているのだ。
高度成長だと健康なんてものともせず吸殻の山を築きながら、という感じだったのだが。
安定期になって少しは健康のことも考える。
でも今は分煙ということでなんとなく落ち着いてしまったようだ。
その方が企業にとって都合がいいのだろう。これが民営化の成果というわけかな。
安全を犠牲にして効率化を図ることと少し似ている。
(2006年9月記)