田町駅芝（カテリーナ三田タワースイートイーストアーク）

東側にはカテリーナ三田タワースイートイーストアークが聳える。
他の高層ビルとしては、田町駅近くに田町センタービルと森永プラザビルがある。
明治初、日本で初めて鉄道が開通したとき、田町から品川の先まで海上を走ったのだが、俗説によると西郷隆盛の反対で鉄道を陸に通せなかったらしい。
本当かどうかはわからない。
だが、はっきりしていることは、東京湾に古来からあった品川港（湊）がなくなったことだ。
都心部と横浜を鉄道で直結するということは、当然そうなるだろう。
他には浅草湊、江戸湊があったが、特に品川湊は、繁栄していた。
太田道灌が江戸城を築く前は、品川の御殿山に住んでいたのだが、品川湊のためだったようだ。
鉄道が通ってしばらくして、後はどんどん沖に向かって埋め立てられ、そこが港南、芝浦ということになる。
したがって、そこは誰のものでもない土地ということになる。
白いキャンパスにその時々の印象を自由に描くようなものだ。
工場、学校、そして共同住宅。
海の匂いを感じさせる運河。中空を走るモノレール。
倉庫と空地の原っぱ。トラックの多い道路と、黒く煤けた首都高の高架。その先は東京湾。
なんだか昭和の時代までは貧しかったなあ。
バブル以降は、垢抜けたわざとらしい演出の街づくり、そしてそこに高層住宅が建ち並ぶ。
でも、あまり賑やかではない。
後世、この時代を振り返って、貧しいとは言わないだろうけど、やっぱり豊かだとはそれ以上に言わないだろうという気がする。
（2006年9月記）