西新宿高層ビル街(京王プラザホテル)

京王プラザホテル

議事堂通りを南へ歩く。東京都庁の東側に京王プラザホテルが聳える。
他には付属する高層ビルとして京王プラザホテル南館がある。
東京の高層ビルとしては霞ヶ関ビル世界貿易センタービルに次いで3番目。西新宿高層ビル街では最初の高層ビルとなる。
竣工は高度成長期の最終局面が近付くころである。
また京王プラザホテルは名称の通り、京王グループに属している。
京王という名前は東京、八王子のそれぞれの一字を合わせたものである。
もっとも、すでに中央線が八王子まで開通しているので、新宿、府中、八王子と歴史的な街を結んでいるが、当時はあまり必要性はないような気もするが。
だからだろうか、積極的な沿線開発と他業種への進出が特徴となっているらしい。
そしてその結実の一つが高層巨大ホテルの開業であると思う。
西武の高層のプリンスホテルや他の高層ホテルは京王プラザホテルに追随したものといえるかもしれない。
こうして西新宿高層ビル街の歴史が華々しく始まったはずなのだが、実際はさらに一年ぐらい空白があく。
本格的に巨大ビルが建ちはじめてビル群の姿を現すのは安定期に入ってからだろう。
そういうところはサンシャイン60と同じだ。
オフィスビルに先駆けてホテル棟が建った、ということは象徴的だと思う。
当時を思い出すと、その数年前に開かれた大阪万博が常設のテーマパークになった感じだろうか。
家族連れで食事にいったのだが、どの高層ビルだったかな。たしか最上階のレストランだった。
なにを食べたかまったく覚えていないけど、ただ夜空に聳え立つ信じられないほどの巨大な建造物の世界が現実にあり、そして何よりもそういうところで、ただ単に食事をした、ということだけははっきりと覚えている。
豊かでもない家族が食事を楽しむために西新宿の高層ビル街が建ったわけではないけど。ただ、そういう世の中になったことだけは確かなのだ。
(2006年10月記)