さいたま市北与野駅(びゅーサイトタワー)

びゅーサイトタワー

アルーサ北与野ポルテ29の西側にはびゅーサイトタワーがある。
シンプルな美しいデザインで明らかに最近の高層住宅だとわかる。
バブルの頃の高層住宅(ノースピア上落合2号棟、アルーサ北与野ポルテ29)と見比べてみると興味深い。
もっとも、バブルの頃のような過剰さやけれん味がない、というのもなにか見る方にとっては、物足りないような気もするが。
埼京線も開通し、北与野からいよいよビル群が建ち上がってくる。
伝統的な田舎の地方都市が、都心部と直結する最新のスポットへと変貌していくのだ。
泥の川は親水公園になり、沼地は埋め立てられてマンションへ。
遠い都心に行かなければ手に入らなかったものも、身近なショップに置いてある。
見上げるような高層ビル、洗練されたデパート、そして何よりも、この最新の世の中のうねりを共有できたという興奮。
最後の行き着くところはなんだろうか。
おそらく政令指定都市さいたま市の登場かもしれない。
でも、そこにはもはや与野、という地名はなくなっている。
大宮や浦和、という地名も区名としてしか残っていない。
いたるところ、最新スポットという名前の矮小化された都心が満ち溢れているだけにしか見えないけど。
しかし、それはそれでいいのかもしれない。
ただ、昔、ちょっとした旅行気分にさせてくれた、あの地方都市の雰囲気はもう二度とないとしたら、少し寂しい気がする。
(2006年10月記)