さいたま市さいたま新都心(ラフレさいたま)

ラフレさいたま

北与野駅のビル群から離れ、東へ。住宅地の中へ入っていく。
野球の練習で賑やかな小学校の前を通り、さらに東へ。
京浜東北線沿いにラフレさいたまがある。
思いっきり奇抜なデザインの建物だ。
このビルは福利厚生施設であり、運営しているのは日本郵政公社の簡易保険事業団である。
保険の契約者が健康であれば、保険金という出費がなくて済む、というような意地悪な見方をしてしまうが、ようするに契約者に対する利益還元、というふうなことだろう。
ちょっと気になるのは、普通の商業ホテルではない、ということだ。
なんだか無理やり建てたみたいな感じだ。
まわりを見渡しても観光地というわけでもないし、街の中心、というわけでもない。
それでも建ってしまったので、なんとか利用してもらおう、ということかな。
でも、世の中は郵政民営化、ということになってしまった。
簡易保険も民間の保険会社になってしまうだろう。そうするとこのような福利厚生施設、格安の宿泊所はどうなるのだろう。
などとそんな心配をしているうちに、まわりに小さなマンションなどが建ち、スーパーや公園ができて、郊外の中に埋没していくに違いない。
そして、何十年も経ったころ、この奇妙な建物はバブルのころ(実際はバブルが崩壊していた頃だが)建ったビルだということで珍しがられるのかな。
もうそのころは、郵政民営化がどうのこうのなんてどうでもよくなっているんだろうなあ。
レトロな建物として憩いの場になっているのかもしれない。
今ある建物を見ても想像できないけど。
(2006年10月記)