さいたま市さいたま新都心(さいたま新都心郵政庁舎)

さいたま新都心郵政庁舎

ラフレさいたまの南側には、さいたま新都心郵政庁舎がある。
武蔵野線から見てもわかるぐらい奇抜というか斬新というか、とにかく目立つビルだ。
しかもさいたま新都心の一番南端に位置している。
このビルも名前の通り日本郵政公社の関係である。
日本の郵便事業は、明治時代初の逓信省により始まる。
第二次大戦後は、郵政省に変わる。
その郵政省は、バブル崩壊後の失われた10年を経て、中央省庁再編により日本郵政公社(直前に郵政事業庁になったがすぐに日本郵政公社)へ衣替えする。
そして、来年(2007年10月)、日本郵政株式会社になる予定だ。
時期的に見れば、この目立つビルは郵政省最後の産物ということになる。
もっと表現を変えれば、戦後、高度経済成長を成し遂げたシステムが、崩壊する寸前に放った最後のあだ花のような光、のような気がする。
このビルの西側にはまだ広大な更地が広がっていたりする。
また南側ではまだ道路工事も行われている。
実際、さいたま新都心はまだ未完なのだ。とはいえこの先、さらに高層ビルが拡大するなんてことはありえないだろう。
現在は、都心回帰、集積化の流れにあるからだ。
この奇妙奇天烈なビル。時代の踊り場の時期に建ったため、期せずして歴史の記念碑みたいになってしまった。
でも、このビルを見るたび、なんだかバブルの頃の、ありもしない将来に夢中になった世の中を懐かしく思い出す。
(2006年10月記)