大宮駅西口(ソニックシティ)

ソニックシティ

高崎線で大宮に着くと西口へ。
相変わらずこのターミナルステーションの巨大さには圧倒されてしまう。
駅前の大通りを西へ進むとソニックシティがある。
竣工は、六本木のアークヒルズに遅れること、たった2年、東京ドームと同年である。
この高層ビルは、都心部から遥かに離れた地方都市に、まさにバブル絶頂期に竣工している。
このようにバブルとは、都心部から地方へ伝播したわけではけっしてないのだ。
ただ、このバブル期の高層ビル、ソニックシティが建つまでは、埼玉県にはまったく高層ビルは存在しなかった。
もっとも、千葉県にもなかったし、都心部を除いて、高層ビルなんてほとんどなかったといっていい。
高度成長期から安定期へ入ったころのことだが、そのような地方で、ディスカバージャパンの一つの帰結としておもしろい現象が記憶に残っている。
「ださいたま」、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」。どういうわけか埼玉県が脚光を浴びることになる。
この、取り残された感じを揶揄するイメージ。郷愁とは正反対のイメージ。
ひょっとしたら、手付かずの再開発のフロンティア、としての側面と合わせ鏡になっていたのかもしれない。
とにかく、バブルのころには、もはや、大宮のソニックシティが最新のスポットだとしても、誰も地方都市の背伸びだとは感じなかっただろう。
そして今やさいたま新都心は完成し、埼玉県の特に何部にはいたるところ高層住宅棟は何棟も完成している。
ただ、ソニックシティが最古参の高層ビルだとすると、それ以前の埼玉との変化が急すぎて、郷愁すら跡形もなく消えてしまっているのかもしれない。
(2006年11月記)