大森駅東口(ウェリスシティ大森タワー建設現場)

ウェリスシティ大森タワー建設現場

高田馬場から山手線に乗り品川へ。
京浜東北線へ乗換え、大森駅で下車。
東口へ出て、下町の商店街を抜けて南東方向へ歩く。
少し歩くとウェリスシティ大森タワーの建設現場がある。
大森駅は西口は山の手、東口は下町と対照的な街並みになっている。
高層ビルについては、山の手に高層ビルが建つことはないので、西口にはない。
高層ビルは下町の広がる東口に建つ、ということになる。
他の高層ビルとしては、いすず自動車の業務棟群である大森ベルポート、高層住宅棟の大森プロストシティレジデンスがある。
東口、特に南東部は昭和の時代から取り残されたような下町だ。
ところで、最近は、テーマパークで昭和の時代の街並みを再現しているものがある。
しかもそれが人気を呼んでいるらしい。
過去を賛美し、未来を否定することがいいか悪いかは別にして、大森駅東口のこの場所、ここならその昭和の時代の街並みがタダで見られる。
しかも急ごしらえのセットなんかじゃなくて、本物だ。
この日は初冬なのだが、雨が降り出していた。しとしと降るような冬の雨という感じではなく、秋口の大粒の雨だ。
差している傘を打つようにして降る雨に昭和の街並みは浸されていく。
重く垂れ込めた黒い雲が空を覆い、歴史遺産のような店々の店主たちは、腕組みをしてその空を見上げていた。
その見上げている方向は、ちょうどウェリスシティ大森タワーが、できあがれば最上階あたりになるだろうか。
そして、ウェリスシティ大森タワーが完成したら、やはりそのようにして見上げるのかもしれない。
今、テーマパークのような昭和の街並みは、徐々に高層ビルに変貌している。
月島のもんじゃ焼きみたいに本当にテーマパークになってしまわないと昭和の下町は生き残れないのかもしれない。
(2006年12月記)