川崎駅西口(川崎テックセンター)

川崎テックセンター

ソリッドスクエアの北側、興和川崎西口ビルの西側に川崎テックセンターがある。
竣工はバブルの頃、かわさきテクノピアの再開発一期目、興和川崎西口ビルと同じ頃である。
竣工当初は、リクルートテクノピアビルというビル名だった。
その名のとおり、リクルートのビルだったわけだ。
ただし、そのことで川崎市との贈収賄事件になり、さらにその贈収賄事件は、戦後最大の汚職事件に発展してしまう。
いわゆるリクルート事件の発端がこのかわさきテクノピアということになる。
(発端といっても事件そのものではなく、事件の発覚の発端である)
リクルートは、高度成長期に生まれ、安定成長期に急拡大し、バブルの頃、絶頂を迎えたと思ったら崩壊してしまった。
しかし、今でも、フロム・エー、ビーイングとらばーゆガテン、住宅情報、エイビーロード、じゃらんカーセンサー、最近ではフリーペーパーのR25L25などを出版しており、なお社会的な存在感は大きい。
リクルートが急拡大した、高度成長期から安定成長期という時代の流れは、近代工業国家から成熟債権国家(ものづくりから資産運用)へのシフト、ということだった。
したがって、情報集積への比重は高まり、情報サービス産業であるリクルートが急拡大するのも当然といえる。それどころか、今後、さらに発展するかもしれない。
こうしてみると、リクルートはバブルなどなくても発展したような気もするし、また破綻することもなかったのでは、と思ってしまう。
それが、バブルの熱気だった、といわれればそれまでなのだが。
とにかく、その熱気のあと、川崎の多摩川の川べりに川崎テックセンターが残ったのはたしかだ。
(2006年12月記)