川口駅西口(川口LILIAタワー棟)

川口LILIAタワー棟

川口駅西口、目の前には川口LILIAタワー棟がある。
川口市が建設した施設であり、完成は、バブルのころである。
川口総合文化センターリリアタワー棟、というのが正確な名称なのかな。
他にホール棟が併設されている。
川崎市でいえば、ミューザ川崎みたいなものだろうか。川口市の方がずっと先に完成しているのだけど。
鋳物工場の街だった川口が、クラシック音楽の街になっていたら、まったく、川崎市と同じではないか。
川崎市は京浜工場地帯、川口市は鋳物工場でなんとなく違うようにみえる。
川口市の鋳物産業は江戸時代にまでさかのぼる。
近くに荒川があり粘土がたくさんあったからだろうか。
その鋳物産業は、明治時代から昭和にかけて一大鋳物工場地帯に発展していくことになる。
しかし、高度成長期を経て、日本は近代工業国家から成熟債権国家になり、工場はいらなくなってしまう。
結局、川崎も川口も同じというわけだ。それどころか、日本のどこかの工業地帯ならおなじみの光景であり、川口も川崎もその一つだっただけなのだ。
やがて、バブル期がやってきて、工場がなくなった土地に高層住宅が次々と建っていく。工場の街から高層住宅の街に変貌していく。
川崎とあえて違うところといえば、川崎は山の手、田園都市があるが、川口にはないことくらいだろう。
高層住宅が人工の山の手だとすれば、川口に高層住宅が集中的に建っているのはそのためかもしれない。
それはともかくとして、もはや川口を鋳物工場の街、ということはないだろうなあ。
(2006年12月記)