海老名駅南口(海老名プライムタワー)

海老名プライムタワー

海老名駅南口(名称は東口)。ペデストリアンデッキを下り、街中へ。
渋滞しているクルマの間をすり抜けながら南へ歩く。
400メートル四方の海老名駅中心部の南東端に海老名プライムタワーがある。
この白亜の美しい巨大な建造物を見ていると、なんでこの場所に、という感想しか出てこないのだが。
寒空の中、渋滞しているクルマが巻き上げるのか、常に乾いたほこりが霞のように舞い上がっている、そんな中では、この建造物の存在は不思議としかいいようがない。
竣工は、バブル崩壊の頃だが。やっぱりバブルの勢いで建ってしまったのかな。
海老名駅の東側、少し離れたところに相模国分寺跡がある。大昔の相模国の中心は海老名だった、ということが、現在では想像できない。
なんだか、海老名プライムタワーの姿がだぶってしまうような気がした。
もっとも、古代においては、北へ奥州古道が伸び、北東方向、今では246号が通っているあたりには矢倉沢道が伸びていた。海老名は太古の昔から交通の要衝だったわけだ。
現在でも、小田急線、相模鉄道、相模線と3つの路線が集まっている。
ただ、クルマ社会にあっては、鉄道路線はあまり意味はないかもしれない。
それに、もはや都心回帰、都心集積の時代になってしまった。
ひょっとすると、もう海老名プライムタワーはレトロな遺物なのだろうか。
相模国分寺の広大な遺跡を訪れるとき、人々は、はるかな往時をしのぶことになるだろう。
そして、やはり同じように、海老名プライムタワーの美しい白亜の建造物を眺めるとき、地方の時代をしのぶのだろうか。
(2007年1月記)