川口駅東口(スカイスクエア川口)

スカイスクエア川口

北へ歩き、川口駅東口に戻る。
そこから南東に伸びるメインストリートがあるのだが、こんなにごちゃごちゃしていたろうか。
もっとすっきりして何もなかったような気がする。以前に比べてビルが増えてきたからかな。
その通りを少し歩くと南側にスカイスクエア川口がある。
一応、通りには面しているが、反対側は家々がすぐ近くに建っているので、住宅地の真ん中に建ててしまったようだ。
川口といえば、映画の「キューポラのある街」ということになる。
だから、川口の街と言った場合、映画「キューポラのある街」に沿って見た方がいいのかもしれない。
映画の最初は、川口を代表する鋳物工場の光景である。
炎を吹き上げる溶鉱炉と勢いよく流れ出す溶けた鉄。薄暗い工場の中で力強く働く多くの労働者たち。
しかし、高度成長期の波により、工場が買収され、その中で働いていた主人公(吉永小百合)の父親が解雇されてしまう。
その知らせが工場の中を駆け巡る中、ぼう然としている父親。その目線の先には盛んに燃え上がる炎。
父親が解雇されたために、浦和の名門女子高に進学して、金持ちを見返してやろうという上昇志向を持っていた明るく元気な主人公(吉永小百合)の夢もすっかりうちくだかれてしまう。
そういうわけで、すっかり絶望感に打ちひしがれてしまった主人公(吉永小百合)。
彼女は、一人さまよい、そしてあげくに身を沈めてしまう歓楽街。
この歓楽街というのは、川口でもいいのだけれど、当時の実情からなら西川口なのだろうか。(今でもそうかもしれない)
西川口は、高度成長期の最初に駅が完成し、高度成長期を通じて、川口オートや戸田競艇の客、川口の鋳物工場の工場労働者などが集まり、飲食店や歓楽街が発展している。
ここまで見てくると、浦和と川口、という表現の中に、山の手と下町という構図が痛いほど伝わってくるような気がする。
(2007年3月記)