川口駅東口(川口パークタワー)

川口パークタワー

繁華街から住宅地へ入り、北へ進む。
こんな住宅地に、という場所に川口パークタワーがある。
そんなに宅地が建てこんでいるわけではないけど。
ちょっと北に行くと、川口市役所がある。
映画「キューポラのある街」に、川口市役所も登場していたなあ。
気丈で元気だったころのジュン(吉永小百合)が、小学生の弟が金銭トラブルに巻き込まれたことで、チンピラのもとに怒鳴り込む場面がある。
お金持ちの同級生から貰った口紅をさし、いっぱしのあばずれを気取って。
そして、逆襲をくいそうになって、弟と走って逃げてくる。
その逃げてきた先が川口市役所なのだ。安全圏だと思ったのだろう。
西川口から走って逃げてくるには距離がありすぎるな。やはり設定としては、繁華街は川口駅近くなのだろうか。
市役所は別のところでも出てくる。
お金がなくて、修学旅行に行けなくて、そこで市が助成金を出して代金を立て替えてくれたのだが。でも、結局、その修学旅行はずる休みしてしまう。
お金がないことに関しては、市役所は安全圏でもないのかな。(一応代金の立て替えだけはしているけど)
あの頃と比べて、今の川口は本当に想像できないくらい変わった。
でも、ちょっと昔なら、あのころの情景はどこにでもあったような気がする。
しかも今からでも手を伸ばせば、すぐ届きそうな、そんな気がするのだ。
でも、もう戻れないなあ。
あの頃は、将来が来れば、きっとよくなるという、根拠はないけど、強い確信があった。でも、現代は、何もない。
答えが出てしまっているからだろう。
別の答えを一から探すなんて、そんなエネルギーはもう残っていない。
もし、あの頃に戻るとすれば、その答えがわかって、またその応えに向かって走り出すときなのだろう。
映画「キューポラのある街」の最後に、ジュン(吉永小百合)が川口陸橋を勢いよく走ったように。
(2007年3月記)