横浜市中区海岸通(神奈川県警察本部庁舎)

神奈川県警察本部庁舎

海岸通りを南東へ歩く。しばらくすると神奈川県警察本部庁舎がある。
竣工したのは、バブルの最初の頃だ。
横浜では、天理ビルの次ぐらいなのかな。
でもやはりバブルの頃のビル群の一つだろう。
官民一体のバブルである。警察署もきれいなオフィスビルになる。見学コースもあるようだ。
かつて港湾業務で賑やかだった場所も今や静かな散策コースになったのだろうか。
港湾都市だった横浜も高度成長期が終わり、存在意義がなくなると、今度は観光都市に生まれ変わったような気がする。
光都市といっても、むしろ東京都心の近場リゾート地のような存在だ。
距離も近すぎず遠すぎず、移動時間も30分ぐらいでちょうどいい。
30分かければ、ちょっとした観光ができてしまうわけだ。
建物を昔のまま保存しまわりをきれいに整備すればミュージアムになる。観光資源ということになるのかもしれない。
工業国家から成熟債権国家へ移行した場合の一つの典型だろうと思う。
東京のベットタウンだけなら埼玉や千葉と同じである。
かといって、かつての工業立国に戻ることはできない。
しかも、横浜は近代国家としては最初の港湾都市である。
とすると、その変化がもっとも早く訪れたのかもしれない。
埼玉でも千葉でも、最近できたちょっとおしゃれな街並みは皆、横浜みたいに見えるのはそういうことかもしれない。
どの都市も横浜が歩んできた道を辿っているのだろう。
(2007年3月記)