横浜市営地下鉄関内駅(横浜シティタワー馬車道)

横浜シティタワー馬車道

馬車道という通りを南西方向、関内の方へ歩く。
JR根岸線京浜東北線)の高架、新横浜通りの北東側に横浜シティタワー馬車道がある。
ここまで来ると随分賑やかになってくる。
明治時代、横浜港が開港した頃は、この新横浜通りの通っているところには川が流れており、今の関内駅付近には橋が架かっていた。
さらにその橋が関になっており、その関から東側、海側は外国人居留地となっていた。関の内側、関内である。
そして、居留していた外国人が馬車で移動するのでその道を馬車道と呼んだらしい。
その馬車道が、今の馬車道の名前の所以であるようだ。
関内とは反対側、つまり、この大通りの向こう側、南西側の方は完全に繁華街になっている。
たとえば、この馬車道をそのまままっすぐ南西に進むと伊勢佐木町通りとなる。
横浜随一の繁華街だ。そして歓楽街でもある。
山の手の近くの低地にはたいてい歓楽街があるものだが。
このようにここらへんは、横浜にとっては歴史のある場所ではある。
しかし、横浜は地名の通り、ただの浜だった場所だ。
近代以降、その浜に偶然に港ができる。
そして港湾都市が誕生し、異国情緒溢れる街並みとなっていく。
もし港ができていなければ、この静かな関内も賑やかな伊勢佐木町も、そしてこの馬車道もなかっただろう。
そう考えると不思議な気がするが。
帰りは、その不思議な気持ちを抱きながら、ひさしぶりに伊勢佐木町通りを歩いてみる。もはや時代の最先端ではないけれど、昔からある古びた街並みが、気分をなごませてくれた。
(2007年3月記)