川崎駅東口新川通(川崎市立川崎病院)

川崎市立川崎病院

高田馬場から山手線で品川へ。京浜東北線に乗り換える。
川崎駅で下車。
ひさしぶりの川崎だ。前回は冬だったが、いつしか季節は春になっている。
川崎駅東口へ出る。市役所通りを東へ。川崎ハローブリッジ第一京浜を越える。
さすがにもう繁華街ではなくなるなあ。
大通りから南へ小道を入る。一帯はもう住宅地である。
路地のような小道を歩いていると、春の日差しが暖かで心地よい。
住宅地なのだが、なぜかあちこちに酒屋があって、その店先で、昼間なのにもう酒盛りが始まっている。なんともほほえましい光景だが。
それなりに街並みはきれいに整備されている。
でも、駅から離れると、まだ昔ながらの川崎が残っているのかもしれない。
いちおう下町だったところは、今はこのような街になっているのだろう。
そのような住宅街を通っていくと急に目の前が急に開け、そして巨大な建造物が姿を現す。
住宅地の中、川崎市川崎病院がある。
バブルが崩壊した後の失われた10年の中で竣工している。
オフィスビルでもないし高層住宅ビルでもないので建ったのであろうか。
なんだか活気のない、静かな住宅地。そこに巨大な最新の建造物。
それが病院、というのはほとんど近未来のSF映画みたいだ。
まわりは整備されているとはいえ、なんとなく取り残されたようで、しんと静まり返っている。
その中のあちこちでささやかな酒宴。ひと時の安らぎだろうか。
そして、その背景には、この場にそぐわないような、巨大な建築物がたたずんでいるのだ。
なにか古代の遺跡のように感じてしまう。
(2007年4月記)